海外安全グッズのご案内

海外にお出かけになられる皆様に、海外安全グッズをご紹介することになりました。海外安全の情報に加えて、具体的なグッズをご紹介することで、みなさまの海外渡航がいっそう安全になることと願っています。いろいろな実例を交えながら、そうしたヒントをご提案できる場になれば幸いです。どうぞご期待下さい。

紹介アイテム「笛」

「いざというとき役立つグッズ」の中に必ず入っているのが「笛(ホイッスル)」です。地震などの自然災害、あるいはテロによる爆破等で、倒壊した建物の下に閉じ込められたような場合に、何としても自分の存在を知らしめ、助けを求めなくてはなりません。

そんな緊迫した状況の中、疲労困憊して声が出ない場合に、手元に笛があれば非常に有効だというわけです。有名な映画「タイタニック」のラストシーンで、海上に投げ出された主人公が、捜索隊の呼びかけに応える気力も体力も失いかけたその時に、すぐ近くに笛をくわえたまま息絶えている船員を見つけ、懸命に近づき、最後の力を振り絞ってその笛を吹き、助け上げられた場面があります。

こうした非言語の緊急事態伝達ツールは、海外において必要な携行品と言えそうです。運動会の時に学校の先生が使うあの笛のことです。お子さんのおもちゃ箱の中にきっところがっているはずです。さらには、笛は「ドロボー!誰か捕まえて!」「助けてぇ〜」と日常的な緊急事態の発生を知らせる上でも効果的です。

そんなケースに遭遇しないに越したことはありませんが、日本のスーパーやレジ係がレジ強盗に備えて首から笛を下げている様は象徴的です。

笛の使用にあたっては犯罪者を刺激しないことが大前提ですから、場の空気を読んで適宜判断することが求められます。

紹介アイテム「鍵」

鍵が防犯に欠かせないことはいまさらですが、ここでご紹介するのは手荷物を守るために、鍵を携帯しようという話です。

イタリアのベネチアからフィレンツェ行きの列車に乗った時のこと。スーツケース置き場は乗り込んだすぐのスペースにあり、乗客席は当然車両内の座席となって、しょっちゅう席から身を乗り出し、「荷物はあるか」と確認するはめになりました。「列車の中は揺れに合わせて眠る」の公式を採用するわけにもいかず、いやはや疲れました。こんな時に役立つのが鍵です。荷物の把手と荷物置き場の棒なり何なりとを、鍵で固定しておけば、目を釘付けにしている必要がないからです。

こうした鍵はひとつあると、いくつのもの場面で使えます。NYで旅行者向けのドミトリーに宿泊した時のことです。部屋は4人で共有するタイプで、連泊する客もいれば、一夜の客人もいて、入れ替わりが頻繁でした。

その共同部屋に荷物を残して外出するのは、いまいち心配で、ベッドの柵とスーツケースの把手を鍵付きワイヤーで固定しておきました。自分のためにも、他の客が不愉快な思いをしないためにもです。鍵は、こんな風に柵にぐるりと巻き付け、さらに荷物の把手に絡めるわけですから、自転車を駐輪する時によく使うチェーン式やワイヤー状のものが便利です。

バックパッカーなどは、見えない背中の荷物を守るために、ファスナー部分にミニ・キーを差し込んでおくと安心です。鍵はダイヤル式でも南京錠タイプでも何でもいいと思います。ところで鍵を付ければ万全というわけではないのはもちろんです。しかし盗人を「その気にさせない」工夫としては効果絶大です。

紹介アイテム「ひも」

ルート66を南下していた時のことです。値切ったわけではないのに、調子がいまひとつのレンタカーのトランクが、突如バックリ開いて、パカパカ上下運動を始めたではないですか。力一杯抑えて閉める努力をしてみたものの、さっぱりでした。思案に暮れた時に「これだ!」と思ったのが、「荷造りひも」でした。古新聞を出す時に使う、頑丈で絶対に切れない、あのひものことです。チョイチョイと引っかけて括ると、見事にトランクをほぼ閉じた状態にキープしてくれて助かりました。

スーツケースの鍵が壊れ、閉まらなくなった時もひもは有効でした。太い鍵付きのベルトも助っ人になってくれますが、荷造りひもは負けず劣らず強靭です。何ヶ所かをぐるぐる巻きにして縛って、何とかその場をしのぎました。

ひもはこうした物が壊れた時の応急処置に使うだけではありません。手荷物が多い時にいくつかをひもで束ねている人や、紙袋など、口が塞がらないスタイルの手荷物にひもを掛けている人を見かけ、その念入りさには恐れ入った経験があります。そうした人たちの工夫をすぐに学習し、真似ていれば私もメキシコでスリに出会うことがなかったのです。肩から提げた大きな布袋に入れておいた化粧ポーチが、気がついた時には抜き取られていたのですから。スリは財布だと思っての犯行に違いなく、がっかりしたでしょうが、私は私で化粧品がなくなったわけで、メキシコ旅行の写真は、すべて「すっぴん」という恐ろしい結果を受け止めるはめになりました。情けない話です。

ところで、荷造りひもは、丸ごと持参する必要はなく、ほんの数メートルあれば、大抵の事態にそこそこ対処できるのではと思います。嵩張らない点でもなかなかの安全グッズです。

紹介アイテム「ポケット医療通訳」

海外で万一、医者や病院を訪ねるほどの事態になったときに、不安になるのが言葉です。「ポケット医療通訳」は、各症状の訴えや、ケガ・病気に関する基本会話や単語等を日英両語で併記したジャバラ折りのミニ会話帳です。

使い方はいたって簡単。自分は日本語を指さし、向き合う医者は対訳の英語で症状を理解する仕組みです。日英の文章が逆に書かれているのは、そのためです。手のひらに納まるハンディなこの会話帳は、超薄型で、胸ポケットでもハンドバッグの中にもかさばらずに滑りこませることができます。

備えあれば憂いなし。言葉の不安から我慢で乗り切ったり、十分なコミュニケーションができずにに重大な事態に陥らないために、自分にできる危機管理の一策として、携行をおすすめします。