海外安全こぼれ話

2014.6.13
理事 上野悌二
NO GO AREA

 日本は治安の良い国として、海外から訪れる観光客に知られている。彼らが驚くのは忘れ物や落し物が、ほとんどそのままの状態で出てくることである。海外ではそうはいかない。いったん手元を離れた私物はまず戻ることは稀である。

 また外国人が驚くことの一つが、日本には “NO GO AREA” がないことである。外国の大都市には必ず何か所か行ってはいけない危険地帯(Dangerous Zone)がある。これらをNO GO AREA という。例えば今月ブラジルで開催されるFIFAサッカーワールドカップだが、試合が行われる都市のすべてに数か所のNO GO AREA があり、ここには近づかないのが安全対策の基本である。

 ブラジルの大都市はこれらNO GO AREAに包囲された状態で町が形成されており、強盗団がカモを隙あらばと狙っているので油断できない。被害に遭わないためには貴重品を持ち歩かないことである。女性の場合、装飾品(イヤリング、ネックレス、ブレスレット類)を身に着けていると引きちぎられ思わぬ怪我をするので要注意である。

 米国で良く知られているNO GO AREA にニューヨークのハーレム地域がある。最近はだいぶ治安がよくなっており、入口近くは日中であれば大丈夫と言われているが、安全のためには用もないのに近づかないに越したことはない。また米国の特徴としてビジネス街などでは、日中と夜間では町の様子が一変する。日中は人通りも多く危険を感じないが、夜になると人っ子一人歩いておらず、危険な状態になる。

 深夜、女性が一人最寄りの駅を降り、徒歩で無事帰宅出来るのは日本くらいのもので、海外では男性であっても深夜の外出は危険が伴う。日本の治安の良さは治安当局(警察)の信頼性が高いことだと言われる。日本が世界でも稀な安全で治安のいい国であることを理解した上で、海外では自分の身は自分で守る以外ないことを肝に銘じて行動して頂きたい。現地に着いたらNO GO AREA がどこなのか真っ先に確認しておこう。